道筋と街区の特長

城下町の変遷が現在につながる

丸亀旧城下町は、職業や身分など別にできた町割りと街区があり、周辺のまちにつながる街道が城下町を通り抜けています。時代と共にまちが変化していく中で、築城時の町割りや街道は大きく変わることなく、建物や土地利用は更新していくのですが、丸亀では大きな開発が行われなかったこともあり更新の進み方は緩やかで、当時からの場所の個性を受け継ぎながら現在に至っています。その景観などに固有性が見られる場所を整理しました。

(出典:町家等歴史的建造物保存調査・平成28年2月/丸亀市)

歴史的道筋

1.金比羅街道

・金毘羅街道は、丸亀港を起点に商業地から寺町を抜け、郊外へつながる街道筋へとまち並みが変化する。 …①福島町・西平山町〜②中心商業地〜③南条町〜④中府・城西町
・街道には「町家」が残存し、往時のまち並みを残す。

2.遍路道

・遍路道は、多度津から中心商業地を抜け、渡し場、土器川を経由して高松に向かう旧街道にある。 …①本町西部〜②中心商業地〜③風袋町〜④土居町
・街道にはカギ型の交差など城下町の特徴が見られ、街道筋に残る「町家」はかつて賑わった街道の面影を残す。
・中心商業地では金毘羅街道と重なる。

3.高松街道

・旧国道であり、街道筋に多く見られる典型的な短冊形町割と町家からなるまち並みが残る。
・湾曲する道路、海側への緩い傾斜など、浜にできた町という特徴的地形の景観が見られる。

4.上通町

・港から商業地を通り大手に至る主要な道筋であり、通りの西部は通町から妙法寺につながる金毘羅街道とも重なる。
・保存状態が良好で歴史的価値が認められる建物が残る。

5.番丁搦手筋

・旧武家屋敷中央に位置する南から城に至る主要な通りである。
・築地塀や蔵、門構えの屋敷型住宅が特徴である。

街区

1.港周辺(福島町、西平山町)

・鉄道と港に挟まれ、飲食、旅館などが集まる区域である。
・T型やカギ型など町割の細街路が残る。
・福島町は長屋と町家、空地や空き家、建物老朽化が目立つ。
・西平山町は町家と屋敷、宿泊飲食等商業と住宅が混在する。

2.旧漁師町(御供所町)

・旧東汐入川側は長屋のまち並みで漁師町の面影を残す。
・短冊形敷地割が背割りで分化、町家型住宅が多く見られる。
・密集市街地の細街路、密度の高い住宅地である。

3.中心商業地

・城下町に見られる竪町と横町の町割と町家が特徴である。
・竪町側はアーケードに覆われ改造が繰り返されているため町家の状況は不明。状態の良好な建物は横町側に多く残る。

4.旧足軽屋敷(風袋町、瓦町)

・城下町の特徴であるT型、カギ型の町割を残す。
・住宅は基本的に屋敷型で、遍路道沿いは町家型である。

5.旧武家屋敷(番丁)

・旧武家屋敷の町割が残る屋敷型住宅のまち並みである。
・築地塀や生垣など囲障、門、庭木などが特徴である。

6.中府城西(中府町、城西町)

・金毘羅街道、山階街道、堀端通りの3つの通りと街道に囲まれた区域で、街道からの滲み出しがつくる細街路の住宅地である。 町家と屋敷型住宅が混在する。